生成AIとは何か?仕組みやできることをAI専門家がわかりやすく解説

生成ai 生成ai使い方

メディア事業部AIライターの柏崎です。

生成AIにはどんな種類のものがあるのか、またはその仕組みは何なのか、知っていますか?

本記事では、そんな生成AIについて、「種類」「仕組み」「できること」「代表的なサービス」などを解説します。

最後まで読んだ方は、生成AIについてより詳しくなり最新のAI動向を素早くキャッチできるようになります!ぜひ、最後までご覧ください。

なお弊社では、生成AIツール開発についての無料相談を承っています。こちらからお気軽にご相談ください。
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目次

生成AIとは

生成AIとは、ある種の訓練データ(画像や音声など)を学習して、実際に存在するものに似た新しいデータを生成できるAI技術です。

たとえば、たくさんの人の顔画像を訓練データとして学習させた場合、それらの画像に似た新しい顔画像をAIが生成できるようになります。

このAI技術は、元のデータの特徴を捉えるために「確率分布」という数学的な手法を使っています。

生成AIはこの確率分布を利用して新しいデータを「サンプリング」つまり、選び出すことで、似たような新しいデータを生成できるというわけです。

参考記事:使える統計モデル10選(後編)

さらに、近年では深層学習という技術の進歩によって、よりリアルな画像データや音声データなどを生成できるようになりました。これを深層生成モデルと呼びます。

深層生成モデルの例としては、GAN(敵対的生成ネットワーク)やVAE(変分オートエンコーダー)などがあります。これらはより複雑なデータを扱うために特別に設計されたモデルです。

GANやVAEについては、この後で出てくる「生成AIの仕組み」のなかで詳しい説明がありますので、気になる方はそちらをご覧になってください。

生成AIの使い方

生成AIでは、基本的に「入力→出力」という関係にあります。

たとえば、「テキストから画像生成」する生成AIでは、あなたが「木の下で眠っている猫」というテキストを入力すると、AIはその説明に基づいた画像に変換してくれます。

以下の表は、生成AIがどのように機能するかの一例です。

機能入力出力
チャットボットテキストテキスト
テキストから画像生成テキスト画像
テキストから音楽生成テキスト音楽
音声翻訳音声音声
画像からキャプション付与画像テキスト

特に、ChatGPTのような、入力が「テキスト」のAIにおいては、「プロンプト」と呼ばれる入力文が重要になってきます。

なぜなら、プロンプトの書き方によって、AIの出力精度が大きく左右されるからです。

例えば、「明日の天気は?」と尋ねると、AIはあなたの現在地に基づいた天気予報を答えることがあります。一方で、「明日の東京の天気は?」と具体的に尋ねると、よりあなたの意図に合った天気予報を答えてくれます。

つまり、プロンプトを具体的にするほど、生成AIは正確かつ関連性の高い回答を返してくれるというわけです。

従来のAI(識別系AI)と生成AIの違い

多くの方がAIと聞いてイメージするものに、画像を見て「犬」と「猫」を分類するものなどがあると思います。それらは、識別系AIと呼ばれるのですが、生成AIとの違いは一体何なのでしょうか

例えば、「犬」の画像を大量にAIに学習させたとしましょう。

この時、両者は以下のような使い分けができます。

  • 識別系AI:新しく画像を見せて、「犬」か「それ以外」かを見分ける
  • 生成系AI:「犬」のような画像を、新しく生成できる

データをグループごとに分けるのが得意なのが「識別系AI」で、データを新たに生成するのが得意なのが「生成系AI」と言えます。

生成AIの種類

生成AIの種類は、多岐にわたります。

ここでは、代表的な生成AIの種類と、その特徴・代表サービスをご紹介します。

代表的な生成AIは、以下の通りです。

AIの種類特徴代表サービス
テキスト生成テキストを理解し、それに合わせたアウトプットを出せるChatGPT
画像生成テキストなどの条件をもとに、画像データを生成できるMidjourney
動画生成テキストなどの条件をもとに、動画を生成できるRunway
音声生成音声や音楽を生成できるAudioPaLM
マルチモーダル複数の種類のデータを統合的に処理できるSeamlessM4T

それぞれの詳細について、順番にみていきましょう。

テキスト生成

テキスト生成AIは、機械学習と自然言語処理技術を利用して、人間が理解できる自然なテキストを生成する技術です。

テキスト生成AIは、コンテンツ作成・レポート作成・チャットボットの対話など、さまざまなアプリケーションで使用されます。

テキスト生成AIの精度は、使用されている言語モデルによって異なります。

最近注目を集めている「ChatGPT」などでは、まるで人間が答えを返しているかのような高精度な回答が可能です。

画像生成

画像生成AIとは、テキストやデータを入力することで、自動的に画像を生成する技術です。

DALL-E 3のような画像生成AIは、学習元となる画像をAIツールに入力することで、入力された画像をAIが学習してそれらの画像の特徴を持った全く新しい画像を生成してくれます。

画像生成AIは、AI技術の中でも特に進化の速い分野です。

その理由は、学習データとなる画像データが多いからです。

最近注目を集めている画像生成AIツールはどれも精度が高いので、ぜひ一度使ってみてください!

動画生成

動画生成AIは、自動的に動画を作成する技術です。

テキストや画像などの情報を入力し、それを元に映像や音声を組み合わせて新しい動画を生成します。

動画生成AIは、映画制作・広告・教育コンテンツ・ゲーム開発・報道など多くの産業で活用され、PoC開発にも役立っています

例えば、特定のキーワードやテーマに基づいてプロモーションビデオを自動生成することが可能です。

さらに、技術が進化するにつれて動画生成AIもますます高度になっています。

現在は3Dアニメーションや仮想現実(VR)コンテンツの生成やリアルタイムでの動画編集など、より複雑なタスクに対応できるようになってきています。

音声生成

音声生成AIは、音声入力やテキスト入力によって新たな音声を生成する技術です。

例えば、ある一人の声を大量に学習させると、その人の声質と全く同じ声でさまざまな文章を自由に話す音声を生成することが可能になります。

さらに、音声生成AIを用いれば、音楽を自動生成することも可能になります。

この音楽生成AIでは、例えばプロンプトで「エモいLo-fiの曲を作って」と書くとそのテキストに沿った音楽を生成してくれるツールもあります。

画像生成とともに、音声生成も研究が盛んな分野です。

マルチモーダルAI

マルチモーダルAIとは、テキスト・画像・音声・動画など、複数の種類のデータを一度に処理できるAI技術です。

マルチモーダルAIは、人間の脳のように、さまざまな種類の情報(モーダル)を同時に処理・解析する能力を持っています。

従来のAI技術では、テキストや音声のみといった1種類の情報からでしか処理することができませんでした。これを「シングルモーダルAI」といいます。

これに対してマルチモーダルAIは、複数のデータ形式を統合して高度な認識や生成を実現します。

なお、マルチモーダルAIについて詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
マルチモーダルAIとは?特徴やできること、代表例を解説

生成AIの仕組み

生成AIはどのように作られているのでしょうか?

生成AIの仕組みには、機械学習という技術が大きく関係しています。

機械学習とは、簡単に言えば、機械(コンピューター)が大量のデータをインプットして、人間のような思考を手に入れる技術です。

機械学習の方法には様々なものがあります。

機械学習の方法はAIモデルとも呼ばれ、話題のChatGPTもAIモデルの一つです。
その方法は、多くあるのですが、ここでは代表的なものを紹介します。

スクロールできます
大カテゴリ小カテゴリ特徴仕組み活用例・代表サービス
教師あり学習回帰モデル数値を予測適切な直線を引く不動産や株価の価格予測
分類モデルクラスを予測適切な決定境界を引く画像分類
教師なし学習クラスタリングデータをグループ分けデータ間の類似度を計算顧客のセグメンテーション
主成分分析データの情報量を圧縮分散が最大となる方向を軸としてデータを変換身長と体重からBMIへの変換
強化学習タスクの報酬を最大化プログラムが与えられた環境を観測し、より価値のある行動を学習囲碁AIや将棋AI
深層学習GPT文章の次単語予測・生成Transformerのデコーダを事前学習ChatGPT
VAEデータの特徴を表現する潜在変数を求めてデータを生成オートエンコーダを利用して、潜在変数に確率分布を用いる人の顔画像の編集
GAN2つのニューラルネットワークを用いてデータを生成識別器と生成器を競わせてデータを学習DALL・E
拡散モデルノイズ除去によるデータ生成データにノイズ付与した後、ノイズ付与の過程を学習させるStable Diffusion

教師あり学習(Supervised Learning)

ここでは、教師あり学習の詳細について解説します。

具体的には、回帰モデルと分類モデルについて解説するので、ぜひ参考にしてください。

回帰モデル

回帰モデルとは、連続値を入力して将来や未知の事例を予測する教師あり学習の手法です。

ある結果に関連する要因がどのくらい影響を与えているかを、以下のように関数の形で明らかにします。

上記の散布図では、横軸を「駅からの距離」とし、縦軸を「住宅価格」としています。

このグラフを見ると、「駅からの距離が近ければ、住宅の価格も上がる」ということが分かります。

住む家が駅から近ければ、便利なので、その分価格も上がるということですね。

ちなみに、このデータは架空のものになります。

また、結果を数値化したものを目的変数といい、要因を数値化したものを説明変数といいます。

分類モデル

分類モデルは、入力データを属性ごとに分類したいときに使用されるモデルです。

異常値検出や画像診断、スパムフィルタなどに活用されます。

参考記事:教師あり学習と教師なし学習の違いは?具体例で解析の目的を整理する

また、2つのどちらかに分類する場合は「2値分類」と呼び、2つ以上のクラスに分類する場合は「多値分類」と呼びます。

教師なし学習(Unsupervised Learning)

ここでは、教師なし学習の詳細について解説します。

具体的には、クラスタリングと主成分分析について解説するので、ぜひ参考にしてください。

クラスタリング

クラスタリングとは機械学習の手法の1つで、データの類似性に基づいてデータをグループ化することです。

クラスタリングでは、AIが膨大なデータを分析して特徴を学習し、その特徴に基づいてデータをグループ化します。そのため、人間がグループ化のルールを定める必要はありません。

また、クラスタリングによってできたグループのことを「クラスタ」と呼びます。

クラスタリングには、ウォード法やk-meansなどの代表的な手法があります。

以下の図は、k-meansの例です。

クラスタリングは分類モデルと似ていますが、両者の違いは以下の通りです。

  • 分類モデル:正解データをAIに見せる
  • クラスタリング:正解データをAIに見せない

主成分分析

主成分分析(PCA)は、多くの説明変数を持つデータを要約し、新たな説明変数(主成分)にすることでその内容を理解しやすくする分析手法です。

主成分分析では、分散が最大となる方向を見つけ出し、それを新たな軸としてデータを変換します。
これにより、データの次元を減らすことが可能となり、データの解釈が容易になるのです。

主成分分析の代表的な例としては、各教科の成績(多次元のデータ)をそれぞれ「文系と理系の成績」(2次元のデータ)に変換することが挙げられます。

参考記事:主成分分析とは

強化学習(Reinforcement Learning)

強化学習とは、コンピューターエージェントが試行錯誤を繰り返し、タスクの報酬を最大化するための意思決定を行う手法です。
強化学習では、エージェントが与えられたデータを手掛かりに試行錯誤して学び、データの価値を最大化します。

強化学習の目的は、環境を攻略するエージェントを育てることです。
つまり、総報酬がなるべく多くなる行動の選び方を模索することになります。
強化学習は、囲碁AIや将棋AIなどの実際のシステムに使用されています。

参考記事:強化学習とは何か?「動物そっくり」の機械学習モデルはどんな課題解決に役立つのか

深層学習(Deep Learning ディープラーニング)

深層学習は、脳の神経回路を模したニューラルネットワークを多層に重ねることで、学習能力を高めた手法です。
音声・画像・自然言語を対象とする諸問題に対して他の手法を圧倒する高い性能を示し、2000年代末から2010年代にかけて急速に普及しました。

ここでは、そんな深層学習を用いた生成AIをご紹介します。

GPT

GPT (Generative Pre-trained Transformer)は、OpenAI が開発した大規模言語モデルです。Transformerのデコーダを利用したモデルで、大量のテキストデータを学習し、文章の生成や言語理解の能力を身につけ、次の予測や推測ができるようになりました。また、ChatGPTにも利用されています。

ちなみに、最近のGPT-4 は、GPT-3、GPT-3.5 の上位モデルで、最大で 25,000 文字の長文にも対応できるようになりました。

VAE

VAE(Variational Autoencoder)は、データの高次元分布を低次元の「潜在変数」にマッピングするために用いられます。
VAEは通常のオートエンコーダとは異なり、潜在変数が確率分布に従うように設計されています。

参考記事:変分オートエンコーダ (VAE)

これにより、新しいデータを生成したり、欠損データを補完したりする際により柔軟なモデリングが可能になりました。

GAN

GAN(Generative Adversarial Network)は、「生成器(Generator)」と「識別器(Discriminator)」という2つのニューラルネットワークを競わせながら、データを学習させる生成モデルの一種です。
生成器と識別器の違いは以下の通りです。

  • 生成器:識別器をだますようにデータを生成
  • 識別器:「本物のデータ」か「生成器によって作られたデータか」を見分ける

参考記事:変分オートエンコーダ (VAE)

拡散モデル

拡散モデルは、画像やテキスト・音声などのコンテンツを段階的に劣化させた後、劣化の過程をさかのぼるように段階的に再構築していく過程を学習させた生成モデルです。

GANやVAEよりも高品質の画像を生成することに成功しており、様々な分野への応用が期待されています

参考記事:Denoising Diffusion Probabilistic Models

上の画像では、右から左にかけて画像にノイズを加え、次に左から右にかけてノイズを除去しています。ちなみに、拡散モデルにも色々なモデルがありまして、上の画像は「DDPM」という種類の拡散モデルです。

Transformerに次ぐ画期的な生成モデルとして、今後も目が離せない分野です。

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生成AIにできること・できないこと

生成AIできること・できないことの例をそれぞれ5つずつご紹介するので、AI時代の立ち回り方の参考にしてください。

生成AIにできること生成AIにできないこと
フィクションの世界創造芸術作品等の主観的評価
自動ブレインストーミング五感の活用
自動プログラミング独創性のある生成
メールやレポートの自動生成長期記憶
自動要約曖昧な物事への理解

生成AIにできること・得意なこと

生成AIは、人間のようにコンテンツ生成や処理を行うことができます。
これを利用して、フィクションを書くこともアイデアをたくさん出すことも可能になります。
さらに、メールの返信などの面倒くさい作業もやってくれるのです。

このように、生成AIはクリエイティブな活動から分析的な作業まで、多岐にわたる領域で人々の作業を支援し、効率を高めることができます。
そして、人間が手作業で行っていたタスクを自動化し時間とコストを削減することができます。

生成AIにできないこと・苦手なこと

生成AIは主に「計算可能な、明確に定義されたタスク」において強い一方で、「主観性、感覚、独創性、長期記憶、曖昧性」など、人間が持つ独特の能力や感性に関連する領域では基本的に弱いといえます。

そのため、これからのAI時代には、上記のような「生成AIにできないこと・苦手なこと」の能力を伸ばしていくことが重要になってきます。

生成AIの代表的なサービス

生成AIのサービス名AIの種類開発会社機能・特徴HP
ChatGPTテキスト生成OpenAIテキストを送ると、テキストで回答が返ってくるhttps://chat.openai.com/
Midjourney画像生成デビット・ホルツ氏の研究チームテキストでプロンプトを入力すると、その内容に即した画像が生成されるhttps://www.midjourney.com/home/?callbackUrl=%2Fapp%2F
Runway動画生成Runway「テキストからビデオ生成」が専門https://runwayml.com/
AudioPaLM音声生成・マルチモーダルGoogleテキストベースの言語モデル「PaLM 2」と音声ベースの言語モデル「AudioLM」を統合https://google-research.github.io/seanet/audiopalm/examples/
SeamlessM4TマルチモーダルMeta音声とテキストを用いて翻訳および文字起こしを行うhttps://ai.meta.com/blog/seamless-m4t/

ChatGPT

ChatGPTは、OpenAI社が2022年11月に公開したAIチャットボットです。
インターネット上に存在する大量のテキストデータを学習することにより、人間が生成するような自然なテキストを生成できるLLMです。
ユーザーが入力した質問に対して、人間のように自然な対話形式で答えてくれます。

ChatGPTは、基本的に無料で利用できます。
アップグレード版であるChatGPT Plus(有料版) では、月額20ドルで、GPT-4が利用可能です。
また、プラグインなどのカスタマイズも可能になり便利です。

さらに、日本語や英語以外にも、スペイン語・中国語など、さまざまな言語に対応しています。

Midjouerney

Midjourneyは、テキストプロンプトから画像を作成するAIです。
Discordというチャットアプリ上で、チャット形式で操作して利用します。

Midjourneyは、アメリカのデビット・ホルツ氏の研究チームが開発したAIで、Twitter上でMidjourneyの画像が拡散されたことで、話題を集めました。

使い方としては、テキストを入力すると、そのキーワードや文章に適したイラストや画像を生成します。たとえば、コメントボックスに「猫」と入力すると、猫の画像が生成されるはずです。

Runway

Runwayは、テキストから動画を生成する生成AIツールを専門としている企業です。
Stability.AIとの協力により、「Stable Diffusion」というテキストから画像を生成するAIも開発しています。

さらに、この企業はGoogle、Nvidia、Salesforce VenturesなどからシリーズCラウンドで1億4,100万米ドルの資金調達に成功しているのです。
無料で利用できるこのツールは、アカウントを作成しプロジェクトを立ち上げるだけで動画編集が始められます。

AudioPaLM

AudioPaLMはGoogleによって開発された音声認識と音声生成に特化した大規模言語モデル(LLM)です。
このモデルは、テキストと音声の両方を処理・生成する能力を持っており、テキストベースのLLM「PaLM-2」と音声ベースのLLM「AudioLM」を統合した形になっています。

AudioPaLMの特徴的な機能として、音声を入力すると声色やイントネーションなどのパラ言語情報を抽出・保持することが可能です。
さらに、大量の多言語データセットで学習したPaLM-2の言語知識を活用しています。
また、短い音声データを元にして話者の声を別の言語に変換することもできます。

この技術が進化すると、音声チャットや多言語対話をより自然に行えるようになる可能性があるでしょう。
しかし、現在のところ日本語の翻訳品質が不十分であるため、今後の改善が期待されます。

SeamlessM4T

SeamlessM4Tは、Metaが発表したマルチモーダルAIモデルです。
約 100 の言語のテキストと音声を認識し、翻訳結果をテキストまたは音声で出力することができます。さらに、音声出力に対応する言語は、日本語を含む 36 言語です。

SeamlessM4T は、265,000 時間に及ぶ音声とテキストのアライメントを収集したマルチモーダル翻訳データセット「SeamlessAlign」とともに公開されました。

なお、SeamlessM4tについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。
【SeamlessM4t】Metaの多言語翻訳AI、使い方から実践まで徹底解説

生成AIの国内における動向

さて、ここまでは生成AIの概要を中心に、その仕組みや代表的なサービスなどについて解説してきました。

そこでここからは、生成AIの国内における実態に迫っていこうと思います。

まずは、生成AIの日本国内における最新動向について、PwC Japan、IDC Japan、NHKの3社の調査結果を基に見てみましょう。

生成AIの普及と認知度の向上

PwC Japanの調査によると、2023年12月時点で、生成AIに対する認知度と活用の推進度合いが大幅に向上しています。多くの企業が生成AIの活用を進めており、特にテキスト生成や画像・動画生成などの用途で利用が見られます。

参考記事:生成AIに関する実態調査 2023秋

しかし、実際に活動に至っているケースはまだ10%未満であり、生成AIを「全く知らない」と答えた人も半数以上にのぼっているようです。

企業における生成AIの活用

IDC Japanの調査では、日本の企業が生成AIに対して持つ期待が世界平均よりも高いことが示されています。特に、生産性の向上に寄与する社内向けユースケース(コード生成、会話型アプリケーションなど)への期待が高い一方で、マーケティングアプリケーションへの期待は比較的低い傾向のようです。

参考記事:2023年 生成AIに関する企業ユーザー動向調査(国内と世界の比較)分析結果を発表

またIDCによれば、国内企業の50%が生成AIの業務適用を検討しており、32%が2023年中に投資を計画しているとのことです。

国産生成AIの開発動向

NHKの報道によると、日本における生成AIの開発も進んでいるようです。豊富な日本語学習データを強みとして、国産での生成AIの開発が進められており、介護分野などでの応用が期待されています。

参考記事:国産生成AIの開発進む「豊富な日本語の学習データが強み」

しかし、技術者や研究者の待遇改善が課題となっており、長期的な視点での研究環境の整備が必要とされています。

生成AIの今後の展望と課題

今後の日本企業における生成AIの活用は、国際競争力を高めるための重要な手段となるかもしれません。

しかし、全体的な認知度の向上や専門人材の育成、適切なガバナンス体制の整備が今後の重要な課題のようです。

また、国産での生成AIの開発では、日本独自の文化や言語を反映させることが、グローバルな競争において重要な差別化要因となり得るでしょう。

生成AIが今後、日本のビジネスや社会にどのような影響をもたらすか注目ですね。

生成AIをビジネスで活用する方法

生成AIは、ビジネスにおいて以下のように活用されています。

  • ブログのタイトル作成
  • キャッチコピー作成
  • メール文の作成
  • 文章の要約
  • プログラミングのコード生成
  • 自動応答チャットボットの構築
  • ビジネスのトレンド調査
  • 顧客エンゲージメントの向上

生成AIは使い方次第でさまざまな分野で活用できます。

生成AIを活用することで、作業にかかる時間を短縮でき業務効率化につながります!

また、生成AIによって新しいアイデアや視点を得られることもあるでしょう。

生成AIの活用事例

では、生成AIは実際にどのように活用されているのでしょうか?

ビジネスにおける活用事例を5つご紹介します。

コカ・コーラ(情報検索システムの導入)

コカ・コーラでは、AIを使用した情報検索システムが新たに導入されました。

ユーザーの要求に応じて、社内のさまざまなデータファイルから必要な情報を抽出し情報提供を行っています。AIを活用することでより効率的に情報提供できるため、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。

また、AIを活用して制作されたアート作品のプラットフォームも立ち上げています。

参考記事:米コカ・コーラ「何が起こるか試したい」 生成AIで商標資産を“民主化”する真意

参考記事:コカ・コーラ、AIを活用したキャンペーンを開始

オルツ(ゲーム開発)

オルツは生成AIを使用して、脱出ゲーム「きまぐれな部屋」を生成しました。

「きまぐれな部屋」は、密室に閉じ込められたキャラクター「アイ」とチャットでコミュニケーションを取って親密度を高め、脱出を手助けするゲームです。

ゲーム内のチャットにはAI技術が使われています

オルツのWebサイト「altBRAIN」から実際にプレイできます!

参考記事:オルツ AIが生成した脱出ゲーム「きまぐれな部屋」公開 ノーコードプラットフォーム「altBRAIN」活用

パナソニック(自社向けAIアシスタントサービス)

パナソニックは、業務効率化と社員のAIスキル向上を目的に、自社向けAIアシスタントサービス「ConnectAI」を展開しています。このサービスは、OpenAIの大規模言語モデルを基に構築されており、自社の公式情報を活用しています。

特に注目すべき点は、このAIアシスタントが提供する機能の多様性です。

社内の情報提供はもちろんのこと、セマンティック検索技術を採用することで、従来のキーワード検索より精度の高い検索結果を実現しています。また、音声入力や回答の引用元表示機能の開発により、社員はより簡単に情報を検索し、その回答の真偽を確認できるようになっています。

参考記事:パナソニック コネクトのAIアシスタントサービス「ConnectAI」を自社特化AIへと深化

さらに、2023年10月以降はカスタマーサポートセンターでの利用も計画されています。

AIの活用により、顧客からの問い合わせに対してスピーディーな対応が可能になり、顧客満足度の向上にもつながることでしょう。

アサヒビール(社内情報検索システム)

アサヒビールは、株式会社丹青社と連携し、生成AIを社内情報検索システムに導入しました。このシステムは、社内の豊富なデータベースからPDF、Word、PowerPointなどの異なる形式の資料をデータ化し、検索可能にすることで業務効率化を目指しています。

「Azure Cognitive Search」と「Cosmos DB」を使用することで、検索結果には資料の概要、サムネイル、100文字程度の要約が表示されるようになっています。

参考記事:生成AIを用いた社内情報検索システムを導入

また、異なる形式の文書を統合的に扱うことができるため、情報検索の手間を大幅に削減し、よりスムーズな業務運営が期待できます。

旭鉄工(改善事例の蓄積と共有)

旭鉄工では、生成AIを活用して製造現場の改善事例を蓄積し、共有しています。従業員が簡単に必要な情報を収集できるような仕組みを作り、ChatGPTにノウハウ集の内容を読み込ませることで、自然言語での質問に対して最適な改善事例を回答できるようにしました。

旭鉄工は愛知県で自動車の金属加工部品を製造しており、IoT(モノのインターネット)を活用したシステムを自社で開発し大きな成果を上げています。特に注目すべきは、2015年度比で年間約4億円の労務費削減と、電力消費量の26%削減に成功している点です。

参考記事:ChatGPTで製造現場カイゼンを簡単に、過去事例や注意点を引き出す生成AI活用事例

また、旭鉄工は「横展アイテムリスト」と呼ばれる改善のノウハウ集を作成したことで、改善方法が属人的に管理される問題を解消し、早期の問題対策と人材育成を実現しています。

このリストでは、「要らなくする」「待ちを短くする」「同時に行う」などの上位概念を設定し、改善活動のアイデア出しに活用しているそうです。

生成AIの危険性と対処法

生成AIは幅広く活用でき便利な反面、危険性も潜んでいます。

ここでは、生成AIの危険性とその対処法についてご紹介します。

情報漏洩のリスク

生成AIを利用する際には、情報漏洩のリスクに注意する必要があります。

生成AIは入力された情報をもとに学習するため、そのまま使用すると個人情報や機密情報であっても同様に学習されてしまうのです。

可能性は低いものの、情報が不正利用されることも考えられます。

対策

ChatGPTの設定変更により、情報漏洩のリスクを回避できます。
データの学習を防ぐには、以下の3つの方法が有効です。

  • 「training」を無効にする
  • APIを利用する
  • オプトアウトの手続きを行う

ChatGPTの設定を開き、「Data controls」をタップすると、「Chat history & training」が表示されます。
これをオフにすることで、入力したデータの学習を停止させることができます。

また、APIを介して生成されたデータは、AIの学習に使用されません

他にも、OpenAIが提供しているオプトアウトの制度を利用することで、AIが入力したデータを学習しないようにできます。リクエストは「User Content Opt Out Request」から送信できます。

情報の信憑性

ChatGPTは、インターネット上の情報を活用して回答を生成しています。
ただし、このためにChatGPTの回答の正確性は保証されておらず、誤った情報源に基づいて誤った回答が生成される可能性があります。

生成された回答は必ずしも最新のものとは限りません

誤った情報を使用することで実務上の問題が生じたり、企業の信頼性に影響を与えたりする可能性があるため注意が必要です。

対策

ChatGPTによって生成された情報の正確性を確認することが重要です。

ChatGPTの回答を即座に採用するのではなく、他の人間による確認を組み込んだシステムを構築しましょう。

専門家によるチェックを導入するとより安心です。

著作権侵害

ChatGPTが生成する回答には、個人情報保護や著作権に関連する情報が含まれる可能性があります。

これらの情報を無意識に引用してしまうことで、法的な問題が発生する可能性もゼロではありません。

ChatGPTを利用する際には慎重に注意し、法的な観点からも適切な引用と情報利用が行われるよう留意することが重要です。

対策

ChatGPTの使用に関するガイドラインや情報漏洩の予防策を策定する必要があります。

これには、適切な利用法や避けるべき行動についての詳細な情報を記載します。

それによって、知らないうちに著作権を侵害してしまうような事態を回避できるでしょう。

なお、ChatGPTを企業利用するリスクと対策について詳しく知りたい方は、下記の記事を合わせてご確認ください。
ChatGPTを企業利用するリスクと対策5選|実際の企業事例と共に解説

生成AIの仕組みを知って業務に取り入れよう

本記事では「生成AI」について、基本的な内容から代表的なサービスまでを詳しく解説しました。

最近では、毎日のように最新のAIツールが公開されています。
また、国内でも様々な分野でAIの利用を活発化させる動きが出てきています。

今のこの流れに乗り遅れないためにも、本記事の内容を参考にして、生成AIとは何なのかについて必ず理解しておきましょう

さらに、生成AIについて理解するためには、実際にツールを触ってみることが大切です。
今回ご紹介したツールは、一度使ってみることをおすすめします。

本記事にもリンクを貼っておいたので、そこから遷移できます。

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投稿者

  • Hiromi Sai

    ChatGPTメディア運営 / テクニカルライター リベラルアーツ専攻。大学休学中は、Webマーケティング会社のマネージャーとしてライター、ディレクター100名のマネジメントをする。南米のチリとタイでの長期居住歴を持つ。

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